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やわらかくするだけじゃダメ⁉高齢者のためのやわらかい食事レシピの注意点

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高齢者のためのやわらかい食事レシピ注意点

最近、親が痩せてきた気がする・・・歳のせいかな?

高齢の親御さんの食事、悩みますよね。

歯が弱くなったり、入れ歯を使用していたり、食事中によくむせるようになったりして食べられるものが限られてきていませんか?

最近、食べる量が減ってきて痩せた気がするなと思ったら要注意です。

実は高齢者の「痩せ」は元気なうちに対処しておかないと、ちょっとした病気をしたタイミングで坂を転がるように悪くなっていってしまうことがあります。

高齢者の痩せる=身体中の筋肉も痩せる=噛むあごの筋肉や、飲み込むのどの筋肉も痩せる
 ⇒食べられなくなる、負のスパイラルに!

今すぐ親御さんの今の状態にあった食事で健康や体力を向上させましょう。

この記事を読めば、高齢者向けのやわらかい食事レシピの特徴や注意点、食材の選び方、作り方のコツが分かります。また、やわらかい食事の見本にもなる、宅食サービスの利用メリットなども説明しています。

病院で実際に咀嚼嚥下機能障害の患者さんに対応し、飲み込みの検査(VE:嚥下内視鏡検査、VF:嚥下造影検査)にもよく立ち会っている、管理栄養士歴15年の筆者が詳しく解説していきます。

あなたとあなたの大切な親御さんの健康と幸せのために、ぜひ参考にしてみてくださいね。

かんな

噛む力や飲み込む力が落ちてきたと感じていたら、なるべく早く主治医や歯科医、管理栄養士に相談してつながっておきましょう。お近くの「嚥下専門外来」などを探して受診するのもおすすめですよ。

目次

高齢者向けのやわらかい食事レシピとは?

高齢者向けやわらかい食事レシピって?

高齢者向けのやわらかい食事レシピの特徴は下記のとおりです。

① やわらかい食事レシピの特徴

まず、食材が柔らかく調理されている点が挙げられます。高齢者は歯の衰えや噛む力の低下により、硬い食べ物が食べづらくなることがあります。そのため、嚙み切りやすい食材を使ったり、食材を柔らかく煮たり蒸したりすることで、食べやすくなります。

また、栄養バランスに配慮が必要なことも特徴の一つです。高齢者は若い世代に比べ、エネルギーやたんぱく質などが不足しがちになります。食材ややわらかさを工夫することで食事量を増やし、不足しがちな栄養素をとることができます。

さらに、見た目の美しさにも必要です。食欲が落ちがちな高齢者でも、見た目が良ければ食べる気持ちが湧いてきます。嚙み切りづらい食材をただ刻むだけではなく、食材の使い方や切り方の工夫など、通常の食事と変わらない見た目にし、彩りなど目で見て楽しめるような配慮があると喜ばれます。

このように、高齢者向けのやわらかい食事レシピは、食べやすさ、栄養バランス、見た目の美しさなどに配慮が必要なことが特徴だと言えます。

かんな

下記の本は、病院の食事で提供してる「軟食(嚥下移行食)」などのレシピの参考にもされている、高齢者ソフト食の家庭でもできるレシピ集なのでぜひ読んでみてください。

② やわらかい食事レシピが必要な理由

高齢者向けのやわらかい食事レシピが必要とされる理由は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、加齢に伴う身体機能の低下への対応です。歯の衰えや飲み込む力の低下は、高齢者によく見られる変化です。やわらかい食事は、こうした身体の変化に合わせて食べやすくするために必要なのです。

2つ目は、栄養不足の予防です。硬い食べ物が食べづらくなると、十分な栄養が取れなくなる恐れがあります。やわらかい食事レシピを活用することで、必要な栄養素を無理なく摂取できます。

3つ目は、食べる楽しみの維持です。食事は単なる栄養補給ではなく、楽しみの一つでもあります。見た目も味も工夫されたやわらかい食事なら、食べる喜びを感じられるでしょう。

以上のように、身体機能の低下への対応、栄養不足の予防、食べる楽しみの維持などの理由から、高齢者向けのやわらかい食事レシピが求められているのです。

③ やわらかい食事レシピの種類

噛む力や飲み込む力の弱った人向けの食事には、いくつかの種類があります。

引用・出展:日本介護食品協議会 「ユニバーサルデザインフード」の選び方(区分)

ユニバーサルデザインフードとは|日本介護食品協議会について|日本介護食品協議会 (udf.jp)

上のユニバーサルデザインの表にあるように、「噛む力」と「飲み込む力」の両方の状態を確認しながら、一人ひとりの状態に合わせて食事の形態を選ぶことが重要だと言えます。

高齢者向けのやわらかい食事レシピの選び方

やわらかい食事レシピ選び方

高齢者向けのやわらかい食事レシピの選び方について、ポイントは下記の3つです。

① 噛む能力に合ったレシピ選び

高齢者向けのやわらかい食事レシピを選ぶ際は、まず本人の噛む能力に合ったものを選ぶことが大切です。

歯の本数や入れ歯の状態によって、食べられる食事の種類は変わってきます。

以下の「噛む機能」で歯がどんな状態か確認してみてください。

「噛む機能」
・前歯があるか ⇒ 前歯で噛み切るのが難しい時は「一口サイズ」にするのが◎
・奥歯があるか ⇒ 奥歯がない時は、箸で切れる&舌と上あごで押しつぶせるやわらかさのものが◎
・義歯の有無 ⇒ 義歯が合っていれば通常の食事でも◎ただし、食べるときにちゃんと使っているかの確認を!

噛む能力に合わない食事を選ぶと、食べるのが大変になったり、残してしまうことが増え、栄養が偏ったりする恐れがあります。まずは本人の状態をよく見極めて、それに合ったレシピを選ぶことが何より大切だと言えるでしょう。

②飲み込む能力に合ったレシピ選び

高齢者向けのやわらかい食事レシピを選ぶ際は、噛む力だけでなく、飲み込む力の確認も大切です。

口の中の動きである「食事を噛んですりつぶしたものを、再度ひとまとまりにして、喉の奥に送り込めるか」も大事なポイントとなります。

ごっくんをした後に、歯茎とほっぺたの間などの口の中に細かくなった食べ物が残っていたら要注意です。

舌の動きやほっぺたの筋肉の動きなどが弱くなっているのかも知れません。

その場合は、刻んだだけの食事は口の中でまとまりにくいため、食べにくい食事となってしまいます。

口の中でばらける食材を避けたり、つなぎやあんかけなどでまとまりやすくすると食べやすくなります。

② 栄養バランスを考慮したレシピ選び

高齢者向けのやわらかい食事レシピを選ぶ際は、栄養バランスにも気を配りましょう。

食事量が減って痩せてきている場合は、第一に必要なエネルギーをとることが優先されるので、それまで糖質や脂質を制限していた方も、制限をゆるめてしっかりとエネルギーがとれるようにしましょう。

また、味付けにも注意が必要です。高齢者は味覚が鈍くなることがあるため、薄味すぎると食が進まなくなるかもしれません。かと言って、塩分の取りすぎは高血圧などの原因にもなります。

メインはしっかり目に味をつけて、副菜はだしをきかせて薄味にするなど味にメリハリをつけ、トータルで塩分が多くなりすぎないことを気を付けましょう。

このように、高齢者向けのやわらかい食事レシピは、栄養バランスと味付けに配慮したものを選ぶことが大切だと言えるでしょう。

③ 高齢者の好みを考慮したレシピ選び

高齢者向けのやわらかい食事レシピを選ぶ際は、本人の好みを考慮することも忘れてはいけません。

長年の食習慣で形成された好みは、簡単には変えられないものです。たとえ健康に良いレシピでも、本人が嫌いなものでは食べてもらえないでしょう。

まずは本人の好物や食べ慣れた味付けを確認することが大切です。その上で、それに近いやわらかい食事レシピを探してみましょう。昔から好きだった料理の味を再現できれば、食欲も湧いてくるはずです。

また、見た目の美しさも食欲に影響します。彩りよく盛り付けられたレシピなら、食べる意欲も高まるでしょう。

このように、高齢者の好みを考慮しながら、やわらかい食事レシピを選ぶことが大切だと言えます。

高齢者向けのやわらかい食事レシピの作り方

やわらかい食事レシピの作り方

高齢者向けのやわらかい食事レシピの作り方について、基本的なステップは以下の4つです。

①適した食材を選ぶ

食べやすい食材

  • ミンチ状のもの: 肉団子、ハンバーグ、つくねなど
  • ゼリー状のもの: ゼリー、水ようかんなど
  • ポタージュ状のもの: シチュー、カレー、コーンポタージュなど
  • ネクター: 果物をミキサーにかけたものなど
  • 乳化されたもの: ヨーグルト、アイスクリームなど
  • プリン状のもの: 茶碗蒸し、プリン、ムースなど
  • おかゆ状のもの: おかゆ、パンがゆなど

食べにくい食材

  • かたい野菜: きゅうり、キャベツなど
  • 繊維が残るもの: たけのこ、ごぼう、ふき、セロリなど
  • スポンジ状のもの: がんも、はんぺんなど
  • 弾力の強いもの: 麺類、こんにゃくなど
  • 酸味の強いもの: 酢の物、レモンなど
  • さらさらしたもの: みそ汁、お茶、水など
  • 口の中に張り付くもの: のり、わかめ、もち、もなかなど

② 食材を柔らかく調理

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、まず食材を柔らかく調理することが大切です。

肉や魚は、パサつかないように粉や油をまぶして保水されるように蒸したり、圧力鍋で煮込んだりすると柔らかくなります。野菜も、皮をむいて繊維を断つように切り、柔らかくなるまで煮ると良いでしょう。

柔らかく調理する際は、薄味で煮て食材本来の味を生かすことも心がけましょう。素材の持ち味を引き出すことで、食欲をそそる美味しい料理に仕上がります。

長い時間いろいろな食材を煮込むのは大変なので、小さめの圧力鍋があると便利ですよ。

③ 食材を一口サイズに切る

食材を柔らかく調理した後は、適切なサイズに切る事が大切です。

歯の本数が少なかったり、噛む力が弱かったりする高齢者にとって、大きな食べ物は食べづらいものです。一口サイズに切ることで、食べやすくなります。

ただし、あまりに細かすぎると、見た目が悪くなったり、逆に口のなかでばらけて飲み込みづらくなることがあります。食材によって、適度な大きさに切ることが肝心です。

④ とろみをつけて食べやすく

高齢者向けのやわらかい食事レシピでは、とろみをつけることも重要なポイントです。

とろみをつけることで、食べ物が口の中で散らばりにくくなり、飲み込みやすくなります。とろみの付け方は、片栗粉や葛粉を使う方法が一般的です。

ただし、とろみの濃さは食材や料理によって調整が必要です。濃すぎると飲み込みづらくなり、逆に薄すぎるととろみの意味がなくなってしまいます。高齢者の状態に合わせて、適度なとろみをつけることが大切だと言えるでしょう。

⑤ 見た目も食欲をそそるように

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、見た目の美しさにも気を配りましょう。

食欲が落ちがちな高齢者でも、見た目が良ければ食べる気持ちが湧いてきます。彩りを意識した盛り付けや、食材の切り方の工夫など、目で見て楽しめるような配慮が大切です。

また、季節感を取り入れるのもおすすめです。旬の食材を使ったり、季節の行事に合わせたメニューを取り入れたりすることで、食事に変化を持たせられます。

このように、高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、見た目の美しさにもこだわることが大切だと言えるでしょう。

高齢者向けのやわらかい食事レシピの工夫

やわらかい食事レシピの工夫

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際の工夫について、ポイントは以下の3つです。

① 味付けを濃くして食欲増進

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、味付けを濃くすることで食欲を増進させる工夫が有効です。

加齢に伴い味覚が鈍くなることがあるため、若い世代向けの味付けでは物足りなく感じることがあります。醤油や味噌、出汁などを効果的に使って、味に深みを出すことが大切です。

また、酸味や香辛料を利用するのもおすすめです。酸味は食欲を刺激する効果があり、香辛料は味に変化を付けられます。これらを上手に使うことで、飽きのこない美味しい料理に仕上げられるでしょう。

② 彩りを添えて見た目を良く

高齢者向けのやわらかい食事レシピでは、彩りを添えて見た目を良くする工夫も大切です。

食欲が落ちがちな高齢者でも、見た目が華やかだと食べる気持ちが湧いてきます。緑黄色野菜や果物など、色鮮やかな食材を取り入れることで、料理に彩りを添えられます。

盛り付けの工夫も重要です。食材の切り方や盛り付ける順番を変えるだけで、見た目の印象は大きく変わります。料理を引き立てる食器の選択も、見た目を良くするポイントだと言えるでしょう。

また、飾り切りを取り入れるのもおすすめです。野菜や果物を花の形に切るなど、ちょっとした飾り切りを添えるだけで、料理がグッと華やかになります。

このように、彩りや盛り付け、飾り切りなどの工夫で、見た目を良くすることが大切だと言えます。

③ 季節感を取り入れて楽しみを

高齢者向けのやわらかい食事レシピに季節感を取り入れることで、食事の楽しみを増やす工夫ができます。

旬の食材を使うことで、その時期ならではの味わいを楽しめます。たとえば、春なら筍や山菜、夏ならトマトやオクラ、秋ならサンマや松茸、冬ならカボチャや白菜など、季節の食材を料理に取り入れるのです。

また、季節の行事に合わせた料理を提供するのもおすすめです。ひな祭りには菱餅風のデザート、七夕には星形の野菜の飾り切りなど、季節の行事をテーマにした料理なら、話題性も出て楽しめるでしょう。

季節感のある盛り付けも食欲をそそります。春なら桜の花びらを散らし、秋ならもみじの葉を添えるなど、ちょっとした飾りつけで季節を感じられる演出ができます。

このように、季節の食材や行事、盛り付けの工夫を取り入れることで、高齢者向けのやわらかい食事レシピに楽しみを増やせるのです。

高齢者向けのやわらかい食事レシピの注意点

やわらかい食事注意点

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際の注意点は、以下の3つです。

① 誤嚥のリスクを考慮

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、誤嚥のリスクを考慮することが大切です。

誤嚥とは、食べ物や飲み物が気管に入ってしまうことを指します。高齢者は、飲み込む力が弱くなることがあるため、誤嚥を起こしやすくなります。

誤嚥を防ぐためには、食事の形状や固さに気を付けることが重要です。軟らかくまとまりやすい形状の食事なら、誤嚥のリスクを減らせます。また、適度にとろみをつけることで、食べ物が飲み込みやすくなるのも効果的です。

加えて、食事の姿勢にも注意が必要です。高齢者は、食事中に前かがみになりやすいものです。誤嚥を防ぐには、できるだけ座った姿勢で、顎を引いた状態で食べてもらうことが大切です。

このように、食事の形状や固さ、とろみ、食事の姿勢など、誤嚥のリスクを考慮した工夫が欠かせません。

② アレルギーや食事制限に配慮

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、アレルギーや食事制限にも配慮しましょう。

高齢者の中には、食物アレルギーを持つ人もいます。事前に聞き取りを行い、アレルギー食品を避けた献立作りが必要です。

また、病気などで食事制限がある場合も、それに合わせた料理選びが欠かせません。たとえば、糖尿病なら糖質の量を調整し、高血圧なら塩分の多い食材を控えめにするなどの工夫が求められます。

薬との相互作用にも注意が必要です。お薬手帳を確認し、不明な点はかかりつけの医師や薬剤師さんに確認しましょう。

このように、高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、アレルギーや食事制限、服薬状況などを考慮することが大切だと言えるでしょう。

③ 衛生面に気をつける

高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、衛生面にも十分な注意が必要です。

高齢者は免疫力が低下している場合があるため、食中毒などのリスクが高くなります。手洗いの徹底や、調理器具の消毒など、衛生管理を怠らないことが大切です。

また、食材の保存方法にも気を付けましょう。傷みやすい食材は、適切な温度で保存することが重要です。余った料理は、できるだけ早く冷ましてから冷蔵庫で保存するようにしましょう。

配膳の際も、清潔な食器を使うことを心がけましょう。高齢者の中には、自力で食器を洗うのが難しい人もいます。定期的に食器を交換するなど、清潔に保つ工夫が求められます。

このように、高齢者向けのやわらかい食事レシピを作る際は、手洗いや消毒、食材の保存、清潔な食器の使用など、衛生面での配慮が欠かせないのです。

高齢者向けのやわらかい食事レシピの宅食サービス

やわらかい食事宅食サービス

高齢者向けの食事を作るのが大変だなと感じている方には、高齢者向けのやわらかい食事の宅食サービスを紹介します。利用するメリットや選び方は以下のとおりです。

① 宅食サービス利用のメリット

高齢者向けのやわらかい食事レシピの宅食サービスを利用するメリットは、大きく分けて3つあります。

1つ目は、栄養バランスの取れた食事ができる点です。宅食サービスの食事は、管理栄養士が監修しているため、バランスの取れた献立になっています。自分で献立を考える手間が省けるのも大きなメリットだと言えるでしょう。

2つ目は、調理の手間が省ける点です。やわらかい食事を作るには、食材を柔らかく調理したり、細かく刻んだりと、一般的な料理よりも手間がかかります。宅食サービスなら、そうした手間を省いて、出来上がった料理を食べられます。

3つ目は、家族の負担が軽減される点です。若い世帯や自分たちの食事とは別に、高齢者の食事を用意するのは、大変な労力です。宅食サービスを利用することで、家族の負担を減らすことができるでしょう。

このように、宅食サービスを利用することで、栄養バランスの取れた食事が届けられる、調理の手間が省ける、家族の負担が軽減されるなどのメリットがあるのです。

② やわらかい食事レシピを提供する宅食サービス

高齢者向けのやわらかい食事レシピを提供している宅食サービスはいくつかあります。

代表的なのが、「やわらか食」や「ソフト食」などと名付けられたサービスです。これらは、高齢者でも食べやすいように、食材を柔らかく調理したり、細かく刻んだりしています。

また、「とろみ食」を提供しているサービスもあります。これは、食事全体にとろみをつけることで、飲み込みやすくしたものです。

さらに、ムース食やペースト食など、より柔らかい食事を提供しているサービスもあります。
これらは、病院などでムース食やペース食を食べていて、どうしてもその形態の食事でないと誤嚥性肺炎などのリスクがあると言われた方が、自宅に帰ってからも安全に食事をするためによく利用されています。

このように、高齢者向けのやわらかい食事レシピを提供している宅食サービスは様々あり、高齢者の状態に合わせて選ぶことができるのです

③ 宅食サービスの選び方

高齢者向けのやわらかい食事レシピの宅食サービスを選ぶ際は、いくつかの点に注意しましょう

まず、食事のやわらかさが高齢者の状態に合っているかを確認することが大切です。歯の本数や飲み込む力など、高齢者の状態をよく見極めて、それに合ったサービスを選びましょう。

また、栄養バランスにも注目しましょう。高齢者に必要な栄養素が十分に取れるメニューになっているかを確認することが重要です。カロリーや塩分の量なども、高齢者に適したものかどうかを見極めましょう。

さらに、味付けや見た目にもこだわりたいものです。高齢者の味覚に合った味付けで、見た目も美しい料理なら、食欲が湧いてくるはずです。

加えて、配送の頻度や時間帯なども確認しておきましょう。毎日決まった時間に届けてもらえるサービスなら、食事の時間を守りやすくなります。

このように、高齢者向けのやわらかい食事レシピの宅食サービスを選ぶ際は、食事のやわらかさ、栄養バランス、味付けや見た目、配送の頻度や時間帯などを総合的に判断することが大切だと言えるでしょう。

サンプルを頼めるところもあるため、いくつか頼んで食べ比べしてみるのが良いと思います。

高齢者におすすめの宅食サービス

ワタミの宅食

ワタミの宅食は高齢者食宅配市場で13年連続売上シェアNO.1!
担当の「まごころスタッフ」が手渡しを基本に、冷蔵で日替わりの夕食を5日間毎日届けてくれます。

おかずは全体的にやわらかめで、噛む力が少し弱くなってきた、飲み込みに問題ない方におすすめです。

代表的なお弁当をわかりやすく比較してみました。

まごころおかず、まごころ手毬、まごころ御膳の違いとは|3項目で比較!

比較項目まごころおかず
一番人気400Kcal惣菜
まごころ手毬
少な目4品の惣菜
まごころ御膳
主菜+3種類の副菜の弁当
栄養バランスカロリー: 400kcal前後
たんぱく質: 15g前後
塩分: 3.0g以下
品数: 5品(主食無し)
カロリー: 250kcal前後
塩分: 2.0g以下
品数: 4品(主食無し)
カロリー: 500kcal前後
塩分: 2.5g以下
品数: 5品(主食あり)
ご飯量: 150g
価格1食あたり: 約690円
1週間セット: 約3,450円
1食あたり: 約500円
1週間セット: 約2,500円
1食あたり: 約800円
1週間セット: 約4,000円
メニューの特徴ボリュームたっぷり
主菜1品、副菜4品
野菜量120g以上
対象: 食事量が多い方
小ぶりサイズ
主菜1品、副菜3品
対象: 少食の方
ご飯がついた弁当タイプ
主食、主菜1品、副菜3品
対象: 主食付きが良い方

まごころおかずは、ボリュームたっぷりの内容で、主菜1品、副菜4品が含まれています。男性の方や、体格がしっかりされていたり、活動量が多く、一日の必要栄養量が多めの方に適しています。
茶碗に軽く1杯のご飯(150g)を付けることで1食650Kcak前後になります。

まごころ手毬は、小ぶりでかわいいサイズが特徴です。主菜1品、副菜3品とシンプルで、女性の方や少食の方にぴったりです。茶碗1/2のご飯(100g)を付けることで1食400Kcal前後になります。

まごころ御膳は、主食付きで、主菜1品、副菜3品が含まれています。ご飯を合わせて1食500Kcal程度に調整されています。ご飯を用意しなくても毎日届くお弁当だけで済むのでお一人暮らしの高齢者の方などにおすすめです。

かんな

ワタミの宅食の一番の特徴は「みまもりサービス」です。仕事で日中一緒にいられない時や、離れて暮らす親御さんが倒れたりしていないか見てもらえるのは安心ですね。

MFS メディカルフードサービス

メディカルフードサービスは凍結含浸法という特許技術で作られバナナでもつぶせる柔らかさに仕上げた「やわらかシリーズ」をメインに扱っています。

こちらは咀嚼嚥下困難な方用で、病院や施設などで「刻み食」を食べている方でも普通の食事に近い見た目の食事が食べられます。

ホームページではペースト食やムース食を食べている方にも対応と書かれていますが、そちらに関しては咀嚼嚥下の障害程度や部位にもよりますので、メディカルフードサービスの無料で管理栄養士と相談できるサービスを活用して相談してください。

咀嚼嚥下困難用の食事はどうしても自宅で作ると栄養価が低くなりがちですが、しっかりとエネルギーやたんぱく質が強化されており、痩せや低栄養予防に対応できている点でとてもおすすめです。

やわらか栄養強化、やわらか食、やわらか減塩食の違いとは|3項目で比較!

比較項目やわらか栄養強化やわらか食やわらか減塩食
栄養バランスカロリー: 325-335kcal
塩分: 2.2g以下
タンパク質: 18.2~23.5g
カロリー: 180-270kcal
塩分: 2.2g以下
タンパク質: 15g以上
カロリー: 180-240kcal
塩分: 1.7g以下
タンパク質: 11g以上
価格1食あたり: 約1,040円
1週間セット: 約6,242円
1食あたり: 約932円
1週間セット: 約5,180円
1食あたり: 約750円
1週間セット: 約3,750円
メニューの特徴栄養強化されたメニュー
主菜1品、副菜3品
対象: 高齢者、栄養不足の方
標準的なやわらか食
主菜1品、副菜3品
対象: 嚥下障害の方
塩分控えめ
主菜1品、副菜3品
対象: 高血圧の方

やわらか栄養強化は、一食300Kcalあり、軟らかめに炊いたご飯150gを足すと500Kcal近くになり、全粥(なるべく重湯が浮いていないぽってりしたお粥)を1食分足すことで450Kcal前後となります。
しっかりとエネルギーやたんぱく質を取ることができます。

やわらか食は現在、ハーフ食になっていたり、少量しか食べられない方に適しています。
ここに先ほどの重湯が少ないお粥を足すことで1食あたり400Kcal前後とることができます。
それほど主食も食べられないという方は、食事は無理のない範囲で食べ、あとは間食にヨーグルトやプリン、栄養補助食品などを食べて必要な栄養がとれるように工夫しましょう。

やわらか減塩食は一食の塩分量が1.7g以下に制限されたお食事です。高血圧用と書かれていますが、正直、すでに飲み込みに問題があり、食事量が減ってきた方には高血圧があっても減塩よりも、必要なエネルギーが取れることを優先したほうが良いと思います。
心疾患や腎臓疾患でむくみがある方などは主治医や管理栄養士と相談しながら必要に応じて減塩商品を選びましょう。

まとめ:高齢者のQOL向上につながるやわらかい食事レシピと宅食の活用

高齢者の健康長寿のために、「やわらかい食事レシピ」と「宅食サービス」の活用が有効です。
やわらかい食事レシピは、高齢者の身体機能の変化に対応し、不足しがちな栄養素を補い、栄養バランスにも配慮されています。

一方、宅食サービスを利用することで、毎日の献立を考えて調理する手間を省け、家族の負担も軽減できます。農林水産省による高齢者向け食品・食事提供サービス等実態調査事業報告書によると、高齢者の食事サービスへのニーズは高く、QOLの向上につながることが示されています。

最近では、厚生労働省が「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」として、地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の本格的な普及に向けて動いているぐらい、高齢者の健康管理に宅配食が注目されています。

厚生労働省:配食利用者向けパンフレット

高齢者の健康と幸せな食生活のために、宅食サービスを活用してみてはいかがでしょうか。
やわらかい食事レシピと宅食サービスを上手に取り入れることで、高齢者の食生活の質を高められます。ぜひ、高齢者の健康と幸せのために、やわらかい食事レシピと宅食サービスを活用しましょう。

かんな

食事で心配なことがあれば、早めにかかりつけの病院や福祉施設の管理栄養士を頼ってみてくださいね。

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